オウンドメディアの記事制作の失敗に共通。担当者の心が折れる原因とは

記事制作が「挫折」する理由

近年、BtoBの企業のうち半数以上がオウンドメディアを運営し、毎日、何百、何千という記事が制作・配信されています。ただ、その多くは半年~1年でメディアの閉鎖や更新停止という、SEO・事業経営に望ましくない結果を迎えてしまう現実があることを、オウンドメディアに関わる全ての人は知っておくべきです。

事実、1年で1000記事以上、約20社近い企業のオウンドメディアの記事制作に携わっている株式会社もっとグッド(以下、当社)でも、競合サイトが閉鎖したり、残念ながらお手伝いしていたメディアがなくなってしまったケースもあります。

今回は「認知度向上」、「効率的な問い合わせの獲得」といった目標にたどり着く前に、オウンドメディアを見切らざるを得なくなってしまった企業に共通する「担当者の疲弊」について、当社の編集責任者が徹底解説します。

コンテンツ記事制作は担当者に「ゆとり」がなければ失敗する

SEO対策やブランディングなど、オウンドメディアの目的はそれぞれですが、いずれにしても最悪の結果は「コンテンツの配信停止」なのは明らかです。さらに、その最大の理由は「現場の疲弊」だと10年近く、オウンドメディアの記事制作に携わるなかで感じてきました。

この考えは「問い合わせ数が増えない」、「CVRが向上しない」、「流入数が目標に達しない」といった指標に注目し「費用対効果などが望めない」という一般的にイメージされがちなオウンドメディアの撤退理由とは少し異なる視点ではないかと思います。
もちろん、上記のような戦略的な撤退を行った事例もありましたが、それ以前に「もう記事を作ること自体が不可能」というケースの方が圧倒的に多かったのは確実です。
だからこそ、当社では担当者になるべく「ゆとり」が生まれるような記事制作のフローを提供し、効率的なオウンドメディア運営のサポートを行うことを目標に掲げているのです。

それではなぜ、コンテンツ記事の制作をギブアップしてしまうのでしょうか。その理由を知るためには、意外と曖昧に認識されがちなコンテンツ制作における担当者の種類について理解しておきましょう。

コンテンツ制作の担当業務の種類とは

どのようなコンテンツ記事制作であっても、当然、オウンドメディアを運営する企業から少なくとも1人は担当者が配置されることは周知の事実かと思います。
ただ、その担当業務はオウンドメディアや企業によって様々で、この業務量や担う工程の数によって疲弊しやすさは大きく変わります。当社の独自の基準でそれぞれを紹介するので、自社のメディアや自身がどれに該当するのかチェックしてみてください。ちなみに今回は一般的なSEOコンテンツの制作工程を想定しています。

■一般的なSEOコンテンツの制作工程
1.キーワード設計
2.企画作成
3.企画チェック
4.原稿作成(発注)
5.校正
6.修正
7.最終確認
8.入稿

疲弊しやすさ小:企画と原稿の最終確認のみ

オウンドメディアの記事制作で最も疲弊しにくいケースの代表格は、上記の制作工程のうち「3」と「7」のみを行う場合です。この場合、一般的にキーワード設計はSEO会社。企画・原稿作成と校正、修正は当社のようなコンテンツ制作会社に外注するケースがほとんどです。

オウンドメディアを運営する企業はもちろん、担当者にとっては記事を確認するポイントは「最低限の事実確認」や「自社の理念などと外れていないか」などの基本的な項目に留まることが多いので、仮に担当者が1人であっても心身共に疲弊する確率は最も少ないといえるでしょう。

疲弊しやすさ中:企画チェックと初稿~校了の原稿チェック

ライターが作成した最初の原稿(初稿)を直接、担当者が校了まで確認するパターンです。具体的には、キーワード設計をSEO会社やコンサルティング会社に発注し、原稿作成は「編集部機能を持たないコンテンツ制作会社」もしくは「ライターへの直接発注」に外注しているケースが該当します。
この場合、担当者は原稿の品質を担保する「校正・校閲」とスケジュール通りに記事を公開する「進行管理」の業務を担わなければならないため、負担は前述した「小」のパターンと比べると非常に重くなる傾向があります。

初稿の完成度が高い場合は少人数や、担当者が兼業であっても円滑に進めることは可能です。ただ、原稿の修正や出し戻しが多くなると精神的にも辛くなるうえ、品質や工程の改善に使えるリソースも少なるので、消耗サイクルから抜け出せないケースも少なくありません。

疲弊しやすさ大:キーワードの選定以外は全て内製

いわゆる「自社編集部」を設けて、SEO会社にキーワード、もしくは企画作成までを依頼し、原稿作成以外は全て内製化するケースです。
それほど数は多くありませんが、当社でお手伝いしていたクライアントのなかにはオウンドメディアが軌道に乗ったタイミングで、会社のグループ内で記事制作する方針に変更した例もあります。
十分な経験と知識、人的なリソースを用いて内製化に成功すれば、非常に高いコストパフォーマンスが見込めるでしょう。

その一方、そのいずれかが欠けている場合はオウンドメディアが順調に成長していたとしても、担当者の業務が圧迫され、品質の低下や更新頻度の減少、最悪の場合は停止してしまったケースもあります。
少なくともオウンドメディアの運営やコンテンツ記事制作専任のスタッフを1人以上設けなければ、内製化は困難だといえるでしょう。

コンテンツ制作の負担を軽減する施策を実施しよう

疲弊しやすいケースを大きさ別に3つ紹介しました。みなさんの現場はどの状況が最も近いでしょうか。実際は原稿のクオリティなどによって程度は異なりますが、適切な運営体制を構築できればオウンドメディア事業が「計画倒れ」してしまうリスクは必ず低めることが可能です。
次回以降では、業務体制を見直しや記事制作を円滑に進めるためのポイントについて解説するので、ぜひ続けてご覧ください。

※株式会社もっとグッドでは、オウンドメディアに関する無料相談を随時受け付けております。ご興味がある方はこちらのフォームからお問い合わせください。

※出典:株式会社ベーシック「BtoB企業におけるオウンドメディアの運営状況

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