介護業界・施設の課題とデジタルマーケティングの可能性。集客などのメリットとは

介護 × デジタルマーケティング

「介護業界・介護施設」×「デジタルマーケティング」という表題にどんなイメージを抱かれたでしょうか。
恐らく、「必要なの?」と思った方が多いと思います。
ただ、近年の介護業界は新規に設立した施設を中心に集客に苦労してしまう傾向が強まっています。

数年後には今回の記事で紹介する「デジタルマーケティング」による自社施設の認知向上や成約が効率化が必要不可欠になってしまう可能性も否定できません。

今回はこれから介護業界を担う方、全てが知っておくべきデジタルマーケティングが必要な理由と、その具体的な手法まで解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

介護業界・介護施設の課題とは?

デジタルマーケティングの概要を説明する前に、介護業や介護施設が抱える課題と今後の展望、さらにより良い未来を迎えるためにデジタルマーケティングが必要な理由についてお伝えします。

動向:高齢化による介護施設の需要増

内閣府の調査(2015年)によると、75歳以上の要支援認定を受けた人は9.0%、要介護認定を受けた人は23.5%とされています。つまり、75歳以上の3人に一人が介護を必要とする状況です。
さらに、2025年には団塊の世代が75歳を超えるため、介護施設の需要はますます高まることが予想されます。

※出典:総務省情報通信政策研究所「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

影響と予測:介護施設数と種類の増加

介護サービス利用者は、年々増加し、2019年4月では487万人(2000年4月には149万人)とされています。
2000年と比べると、介護サービス利用者数は、3倍となります。今後も、その数は増え続けていくと予測できるでしょう。

在宅や施設介護だけでなく、制度改正を経て地域密着型サービスなど、様々なサービスが増えています。
施設数の増加に伴って、利用者が選べる介護施設・サービスの細分化や増加が見込まれています。

課題:競合増と利用者の比較検討機会の増加

前述したように介護の需要が高まるに連れて、施設数も増加しています。
このような背景で、特に開所したばかりの施設では、利用者の集客が困難になることが予想されるでしょう。
すでに、多くの施設が地域に点在するなか、他施設との差別化を図り、自社の介護サービスをいかに利用者に認知してもらうかが重要になります。
この点においてデジタルマーケティングが非常に有効であると、まずは覚えてください。

介護施設においてデジタルマーケティングがおすすめな理由

デジタルマーケティングとは、検索エンジンやホームページ、SNSなどあらゆるデジタルテクノロジーを活用したマーケティングのことを指します。
利用者集めに際して、デジタルマーケティングがおすすめできる理由は以下の3つです。

1.スマートフォンの普及
2.他施設も集客に力を入れている
3.効果的に自社を認知させることができる

それぞれの理由を以下で説明します。

スマートフォンの普及

年々、日本国内におけるスマートフォンを利用する人は増えています。
2010年にはわずか4.4%だったスマートフォンの所有比率ですが、2021年にはスマートフォンの比率は92.8%にまで拡大しました。
実は、高齢世代においても、スマートフォンがかなり普及しており、スマホ端末を使って情報収集することが当たり前になっていると言えるでしょう。
また、利用者本人だけでなく、その家族やケアマネージャーも、施設情報や介護サービスの検索をスマートフォンを使って行っています。
デジタルマーケティングを活用して、スマートフォン端末から検索する人との接触回数を増やし、自社サービスの認知を促進させることができるでしょう。

他施設とのインターネット集客の先行者利益を得る

介護施設の数が増加の一途をたどるなか、地域内の生き残りをかけて、各施設は利用者集客のために力を入れています。
集客のために、ホームページを充実させたり、SNSで各社サービスを発信したりなど、様々な工夫を行っています。
介護のニーズが高い一方で、競合となる施設も多いため、利用者が自社サービスを発見することが難しくなっている可能性が高まります。このような業界全体の情勢の変化に対応する必要があるのです。

効果的に施設を認知させることができる

デジタルマーケティングを活用すれば、少ない時間と労力で、効果的に自社サービスを利用者へ認知させることが可能です。
これまでの利用者集客のやり方として、病院のソーシャルワーカーやケアマネージャーに営業をかける手法があります。
複数の関係機関に直接足を運ぶ従来のやり方は大切ですが、特に施設運営の駆け出しの頃は、思ったような成果が出ないこともあるでしょう。
しかし、デジタルマーケティングを活用すれば、スマホやパソコンなどのインターネット媒体からの営業を行うことが可能です。
そのため、少ない労力で効果的に自社サービスを知ってもらうことができるでしょう。

デジタルマーケティングを使った具体的な集約方法

それではいよいよ、デジタルマーケティングの詳細について紹介します。本記事では、具体的なデジタルマーケティングの代表的な4つの手法を紹介していきます。

1.SNS
2.ホームページ
3.オウンドメディア
4.外部サイトの政策

それでは、それぞれの手法について解説します。

1.SNSでファンをつくる

10代、20代の若い年代だけでなく、50代以降のSNS利用率も年々高くなっています。SNSを活用すれば、既存の利用者や見込み客と継続的にコミュニケーションが図りやすく、施設の「ファン」になってもらうことで長期的な関係を築きやすくなります。
ビジネスで利用されるSNSの主な種類は、以下のとおりです。

1.Facebook
2.Twitter
3.LinkedIn
4.Instagram
5.Snapchat

これらのSNSの中で、介護施設のデジタルマーケティングにおすすめのなのが、Facebookです。
Facebookは、若年層における利用率は少ないものの、40代以降のFacebook利用率はどのSNSよりも高い水準となっています。

介護施設の利用を検討する年齢層は、40代、50代以降だと予想されるため、これらの年代に馴染みあるFacebookの導入をするべきでしょう。

ホームページでブランディングする

SNSを活用する際は、ホームページからの集客も合わせて行うべきです。
SNSを利用する高齢者層も増えつつありますが、まだまだGoogleやYahoo!などの検索エンジンからの流入が根強いです。

「介護サービスの内容を知りたい」、「どんな職員が働いているのか知りたい」など、深い悩みであるほど、検索エンジンからのキーワード検索が増えると言えるでしょう。

検索エンジンでは、1位〜3位の上位表示だけで、50%を超えるクリック率であり、自社サイトを上位表示させるためのSEO対策が重要です。
介護施設のホームページを充実させることで、検索エンジンからの利用者獲得を狙うことが可能です。

オウンドメディアで認知を図る

オウンドメディアとは、「宣伝を主たる目的としない」、「自社で運営する」メディアのことのことです。
自社メディアを通じて、利用者に有益な情報を提供することで、自社を認知してもらえる可能性が高まります。
例えば、読者が、物忘れがひどくなってきた母親を見て、「認知症かも?」って思ったとします。
読者が「認知症 症状」と検索し、自社運営するメディア記事にたどり着けば、読者の検索ニーズを満たすことが可能です。

このようにオウンドメディアは、読者の悩みを解決できるコンテンツを豊富に用意することで、読者との接触を増やし自社の認知を広めることができます。

デジタルマーケティングは介護施設の集客に有効

ここまで、介護施設においてデジタルマーケティングが必要な理由やその具体的手法について詳しく紹介しました。
介護施設の増加に伴い、各施設は利用者獲得のために、切磋琢磨しています。
インターネットで検索することが当たり前になってきた昨今では、デジタルマーケティングを活用することで、より効果的に利用者集客が可能になるでしょう。
デジタルマーケティングの具体的な手法の中には、アカウントを作るだけですぐ運用できるものもあります。
ぜひ、利用者集客のために、デジタルマーケティングを活用してみてください。

この記事を書いた人

fujitomi_head